排水不良に起因する盛土・擁壁の災害予防工
排水アンカー工法
排水アンカー工・排水補強パイプ・サビレス等の設計・施工は難しくありません。
設計・施工に制約はありまませんので、誰でもご計画ください。
お近くの建設コンサルタント等にご相談ください。
材料のご購入は、販売店までご連絡ください
雨による被災

豪雨時に倒壊した擁壁;
排水不良が原因と考えられた
盛土構造物や擁壁工において排水不良を原因とした変状・崩壊が発生することがよく知られていますが、具体的対策となると特になにもなされていないのが現状です。それは有効な対策工がなかったから、というのがかなり大きな理由です。排水不良はたくさんあるのに簡易にそれを改善する工法はなかったのです。

しかし、近年の災害多発によって高揚した防災意識によって、こういった排水不良に関する関心が高まり、技術研究が行われると同時に、損害賠償訴訟もあるようになりました。
 
簡易な対策、確実な対策、折角やる以上は地震時にも豪雨時にも「排水不良の回復以上の機能向上」といったニーズにこたえる工法として、排水アンカー工があります。

中腹から水が浸みだす擁壁;
排水不良の擁壁に特徴的な現象

倒壊には至っていないが変状著しい擁壁
 

古いブロック積み擁壁の水抜穴の奥;
繊維質のフィルター材が見える

コンクリート擁壁の水抜穴
;奥にプラスチックフィルターが見える

水抜穴の奥いろいろ;擁壁の水抜穴の奥はあまり覗かれることがありませんが、覗いてみると興味深い状況があります。たとえばフィルターがあって水が排水されるべきなのに、なぜかコンクリートで塞がれてしまっているケースや、フィルターが破れたりして土砂がパイプ孔を狭くしている例、あるいは生き物の巣になっている例・・・設計の思惑通りでないものが多々あります。
地震による被災

中越地震で転倒しかかったもたれ式擁壁
アンカー工は事後に設置された

中越地震で擁壁と裏込め土が崩壊して背面の地山を晒した宅地擁壁
対 策 事 例
排水不良の対策は、排水をよくしてやることです。それも簡易な方法で。。。。。

排水補強パイプを、既存の水抜穴に打ち込んで、背面の裏込め土を突き抜けて、一番水が走る地山と裏込め土との境界を抜いて、地山に突き刺す。そういう単純な工法で十分です。

地震に対して抵抗する必要がある場合には、受圧板をつけてアンカー構造とします。

内径50mmの塩ビを使った擁壁排水穴の機能回復には外径φ48.6mmのサビレスパイプを用います。ぎりぎりですが、先端コーンをつけて打ち込めば難なく入ります。75mm程度の排水穴の場合にはφ60.5mmの排水補強パイプを打設すれば良いです。裏込め土と地山との境界を打ち抜いて地山に少し突っ込むくらい打ち込みます。

ブレーカーで打てば簡単に入ります。この打設方法では累積摩擦量50kN程度がMAXです。
その後時間の経過とともに周辺地盤とパイプは密着度を増し、じわじわと摩擦力を増やします。
精一杯の力で打ち込めば、最低50kN程度(実際にはそれ以上)の引き抜き抵抗力があります。
φ48.6mmパイプの継手部引っ張り強度も50kN程度です。φ60.5mmの継手部は110kNまでもちます。
他の排水工法でここまでの強度があるものはありません。
工事も速く、順調にいけば、1本打設するのに段取り込みで数分です。

この擁壁は、排水不良で変動していましたが、排水パイプを打ち込んで止まりました。その上直後に発生した地震での被害を未然に防ぎました。

ネジがありますので受圧構造はいろいろな組み合わせが実現できます。梁を用いたり、グリーンパネルを用いたり、ネットを用いることもできます。

グリーンパネルとの組み合わせ;受圧板は角度自在型
お問い合わせは、太田ジオまで 2008.10.15
「排水アンカー」は登録商標です
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